前回はエッセンシャルオイルを使用したリラックス方法などをご紹介しましたが、今回はお香を使用したリラックス方法をお伝えしたいと思います。
日本のお香の歴史
お香の歴史は長く、古代エジプト、古代ローマ、インドでは樹脂や香油に芳香性植物成分を組み込み、
医学的、宗教的な目的のために使用していました。
昔の人々は香りが精神的、肉体的に良い効果をもたらすことを知っており、お香を活用していたのです。
日本にお香が伝わったのは6世紀頃、仏教儀礼と共に日本に伝わったと言われています。
お香は場を浄化し、邪気を払う目的で使用され、仏教儀式で重要な役割を果たしていました。
その後、仏教の高僧である鑑真和上が仏教の教えや戒律を広めるために中国から渡来します。
鑑真和上はお香の原料と製造法も日本にもたらしました。
8世紀頃になると貴族の間で香木や香料を練り合わせて香りを楽しむ薫物(たきもの)が広まり、
鑑真和上のもたらしたお香の調合法が大いに活用されるようになりました。
12世紀頃には武士が台頭し、武士の間にもお香が広まり、禅宗の座禅や茶の湯などの日本文化や儀式などにも取り入れられるようになります。
この頃にお香の香りを聞き、その繊細な香りを鑑賞する聞香(ぶんこう)が確立しました。
17世紀に入り、ようやく商人や権力者の間にお香が広まります。
お香を鑑賞する際の作法も広まり、香席では身分分け隔てなくお香を楽しむことができるようになりました。
現在、お香は伝統的な文化を基に新たな製造法や原料を取り入れることで進化し、私たちの好みや目的に合わせ、
様々な選択ができるようになりました。
また、科学と医学の分野で香りが心身に与える影響について多くの研究が行われるようになり、香りにより得られる様々な効果が証明されています。
心を落ち着かせるお香
香木を購入する際に気を付けていただきたいのは、できる限りクオリティの良い香木を選ぶことと、信頼できるところから購入することです。
香木は一つとして同じものはありません。
心の内側を浄化し、落ち着かせるためにできるだけ良いエネルギーを持った香木に出会えると良いですね。
白檀(サンダルウッド)
白檀は、その甘くウッディな香りで知られています。一般的に広まっている白檀の安価なお香と比べると、その香りの違いに気づかされます。
白檀の香りは場の浄化とともにスピリットを浄化し、落ち着かせます。そのため、瞑想する際にもおすすめです。
また白檀に含まれる成分、サンタロールには殺菌効果や利尿効果があります。
安息香(ベンゾイン)
安息香(ベンゾイン)はアンソクコウノキから採取される樹脂で、古くから呼吸器系の治療や心を落ち着かせる目的などに使用されてきました。
スマトラ安息香とシャム安息香がありますが、甘いバニラのような香りが特徴で品質も良いシャム安息香がおすすめです。
以前書いた男性の更年期障害の対策の記事でもベンゾインについてご紹介しています。
沈香と伽羅
代表的なお香の原料に沈香があります。沈香は産地や香りによりいくつかに分類されますが、沈香の中で最もクオリティの高いものを伽羅と言います。
伽羅の香りは場の浄化とともにスピリットを浄化し、落ち着かせ、高次のエネルギーと繋がりやすくします。
時の権力者たちがこぞって最高品質の伽羅を手に入れたがったのも納得の、非常にエネルギーの高い香木です。
沈香は殺菌効果がある他、中医学では胃腸を温めて機能を回復させる効果があると言われています。
実際沈香を焚いていると、体がじんわりと温かくなるのが分かります。
お香を楽しむ
香りの楽しみ方にはいくつか方法があります。
香老舗の松栄堂さんのウェブサイトにて、お香のたき方についてとても分かりやすく紹介されています。
香炉を使用するのは少しハードルが高いと思われる場合は、茶香炉を代用するのもおすすめです。
香炉も茶香炉も、同じお香を使用しても焚いた時の香りが少し異なります。
違いを楽しんでみるのも良いと思います。
エッセンシャルオイルやお香を使用して、心を落ち着かせる時間を作ってみて下さい。
