各地に長きに渡り伝わる伝統的なお祭りは、その土地を守っているエネルギーに触れる良い機会であり、
その土地の歴史や文化を知る良い機会ですので、なるべく参加するようにしています。
今回は聖マルティヌス祭についてご紹介いたします。
聖マルティヌス祭はキリスト教の聖マルティヌスの聖人の日、11月11日に、毎年ドイツやオーストリア、ハンガリー、スイスなどの国々で行われます。
聖マルティヌス
4世紀、マルティヌスがローマ軍に所属していた頃、寒い冬の中破れた服を着ている貧しい人物に出会います。
気の毒に思ったマルティヌスは、自分のマントを剣で半分に切り、その人物に与えました。
その日の夜、そのマントを与えた人物がイエス・キリストとして夢の中に現れます。
この時に受けた受洗がきっかけとなり、キリスト教の洗礼を受けたマルティヌスはローマ軍を除隊し、修道士となりました。
マルティヌスはその慈悲深い人柄と数々の逸話がよく知られているヨーロッパで初めての聖人です。
また、初めて殉教をせずに列聖された聖人としても知られています。
聖マルティヌス祭
聖マルティヌス祭では日が沈んだ頃、子供たちが自分たちで作ったランタンを手に町や村を歩きながら、
馬に乗った町や村の長が扮した聖マルティヌスを教会まで案内します。
子供たちはお返しにパンをもらったり、もらったパンを皆で分け合いながら町や村の人々と楽しく過ごします。
収穫祭の時期でもあるため、豊穣の神に祈りを捧げて焚き火をすることもあります。
写真は子供たちの通っていた学校で行われていた聖マルティヌス祭の時の写真です。
聖マルティヌスの歌を歌いながら焚き火を囲い、皆で静かに時を過ごします。