ジャスミンの花が香る季節になりました。
街中や郊外を歩いていると、あちらこちらでジャスミンの白い美しい花を見かけ、
甘い香りが漂ってきて心地よい気分になります。
ジャスミンは16世紀に香水に使用するため、ここ南仏で栽培された歴史があり、
今日でもその名残で多くの場所でジャスミンの香りを楽しむことができます。
ジャスミンについて
ジャスミンはモクセイ科ソケイ属植物の総称で、アジアからアフリカの熱帯、亜熱帯地方が原産です。
古代エジプト(紀元前1000年の初め頃)やインド(ヴェーダ期)ではその香りが既に使用されていた他、
中国では漢方薬やお茶としても伝統的に使用されています。
また、ヨーロッパではルネサンス期の絵画にその白く美しい花が聖母マリアと共によく描かれています。
高貴で神秘的な香りは古から愛と女性に結び付けられることが多く、今日でも多くの製品に使用されており、
世界的にとても人気のある香りです。
よく使用される香りは主に薬用でも利用されるアラビアのジャスミンとしても知られるジャスミン・サンバックと、
ヨーロッパ、北アフリカに生息しているスペインジャスミンなどがあります。
夕暮れ時から夜になると花の香りがより一層強まりますが、これは夜行性の昆虫によって受粉するためです。
香りの恩恵
ジャスミンの香りの効能については様々な研究がありますが、ここでは心への作用について紹介したいと思います。
・覚醒効果
何かに集中したい時、落ち込んで元気のない時、すっきりしたい時、心を開放したい時、
覚醒作用のあるジャスミンの香りが役立ちます。
クレオパトラが媚薬として使っていた、という逸話があるほど昔から媚薬効果が謳われているジャスミンですが、
この覚醒作用も一役買っているのかもしれませんね。
・鎮静効果
ジャスミンには覚醒作用だけではなく、心身を落ち着ける鎮静作用もあるのが特徴です。
ジャスミンに含まれるリナロールや酢酸ベンジルなどの化合物には鎮静作用と抗不安作用があり、
ストレスを軽減し、心身を落ち着けるのに役立つことが分かっています。
ちなみにジャスミンの花や根には強力な抗酸化作用を持つ天然化合物であるアルカロイド、フラボノイド、
サポニンなど、さまざまなポリフェノールが含まれていることが分かっています。
ジャスミンの香りを利用して、心身を健やかに過ごしましょう。
アロマセラピー用のジャスミンオイルは、骨盤領域への血流を促進し、流産を引き起こす可能性があるため、正期産および実際の出産に達する前には推奨されません。アレルギーをお持ちの方、持病をお持ちの方、小さなお子様や妊婦さんがいらっしゃるご家庭は事前にお調べになり、お気を付けてご使用されて下さい。
【参考文献】
La Petite Histoire du Jasmin (histoiresdeparfums.com)
(PDF) COMPARATIVE PRELIMINARY PHYTOCHEMICAL STUDIES OF JASMINIUM MULTIFLORUM AND JASMINUM OFFICINALE (researchgate.net)より