
復活祭のタイミングで急遽、ローマ、ヴァチカンを訪れることとなり、道開きを行う旅へと行ってまいりました。
事前にサント・ボーム山塊へご挨拶へ伺いましたら、ちょうどイエス・キリストが復活されたと言われている時期だったようで、復活祭のミサが執り行われておりました。
ローマで用意していただいた宿泊先もヴァチカンのすぐ近くの「天使通り」と、なんとなくすべての采配が準備万端な感じです。
こうなってはもう流されるしかないので、あとは天の采配に任せて行く先々でなすべきことをするのみです。
このような旅の時は事前に知識を入れないまま挑んだ方が良いと経験上分かっているので、五感をフル活用です。
初日に到着しましたら心の準備もないまま急遽サンピエトロ大聖堂へ行くこととなり、セキュリティゲートに並ぶ間に気を整えて無に徹します。

人の流れに流されるようにこちらの扉から入りましたら、ふと、周りの方々の会話から、今年は25年に1度の「聖年」であり、この扉が25年に一度開かれる「聖なる扉」ということを知りました。
思えばヴァチカンのあちらこちらで、真剣なお祈りのための製品と共にとっても可愛らしいキャラクターデザインのグッズがあり、そのギャップがシュールだな…と思っていたのですが、
後で調べましたらイタリアの方がデザインされた「聖年」キャラクターだったようで、日本のメーカーさんとコラボレーションしているそうです。
扉を入ってすぐ右手に、ミケランジェロの最高傑作のひとつである「ピエタ」があります。
身廊に入ると美しい讃美歌が聞こえてきました。
ベルニーニ作、大天蓋(パルダッキーノ)。大聖堂の中心に視点を集中させる役割があるそうです。

ヴァチカンには、以前訪れたことがあります。
その際、サンピエトロ大聖堂に何かの手違いで入れず、神様にまだ来るのは早いと言われたように感じました。
それから十数年が経ち、ようやく入ることを許されたように感じました。
澄んだエネルギーに触れた時に、わが身の愚かさを反省し、ここに足を運ぶ機会を与えられたことに感謝いたしました。
別日に歴代のローマ教皇が眠る墓地へ訪れました。
静かに眠っていらっしゃる教皇の中で一番訪れたかったボニファティウス8世のお墓を探していたら、すぐにご対面できました。
ボニファティウス8世は破天荒な現実主義者で知られ、日本の親鸞さんのような方だったのではないかと思っています。
サントボーム山塊の遺骨をマグダラの聖マリア様のものであると認め、ドミニコ会に管理を委ねた方です。
1300年に「聖年」を始めたのもこの方だったそうで、歴史的にもスピリチュアル的にも興味深い教皇です。

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂へ。
聖年に開く聖なる扉は計4か所あるそうですが、そのうちの一つがこちらにもありました。
聖母マリア様に捧げられた世界最大の教会で、ローマでは一番大きな大聖堂なのだそうですが、
大聖堂内の管轄はヴァチカンなのだそうです。
内装は非常に美しく、過去から現在に至るまで訪れる多くの人々の祈りによって支えられている、そのような感じを受けました。

最終日、帰国直前にヴァチカン美術館とシスティーナ礼拝堂へ。
システィーナ礼拝堂へ入る手前辺りから、足元から引きずり降ろされるような、今まで経験した事のないほどの感覚に、油断していた自分を戒めました。
おそらく今回の旅の采配の最大の目的はここです。
システィーナ礼拝堂自体は非常に美しいルネサンス期の巨匠たちの絵画が空間を彩り、多くの観光客で賑わっており、そのような感じは受けませんでしたが、
礼拝堂のずっと下、底の底のビジョンが見えてきた時、得も知れぬ深い部分に引きずり込まれるような感じを受けました。
数百年などではありません。
数千年の深いエネルギーです。
後からヴァチカンの下は元々ネクロポリスと言って古代は亡くなった方を埋葬する場所であったと伺いましたが、またそれとは異なるエネルギーだったようにも感じます。
たった15分程しか滞在しなかったのにも関わらず、とてつもないエネルギーでした。
帰国して数日経ち、落ち着きを取り戻した頃にフランシスコ教皇がお亡くなりになったことを知りました。
先にご紹介したサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂へ埋葬をご希望されていらっしゃったそうで、そちらに埋葬されるそうです。
教皇という非常に大変なお役目を背負われたフランシスコ教皇に敬意を表します。
ご冥福をお祈り申し上げます。

さて、今回の旅で個人的に一番感動した場所をご紹介したいと思います。
こちらは古代ローマ遺跡「フォロロマーノ」内にある、6世紀にたてられた教会跡です。
こちらは予約されてツアーガイドさんと訪れることをお勧めいたします。
当時の巡礼者の面影やエネルギーが感じられ、光の演出も素晴らしく一気にタイムスリップできますので、
コロッセオやフォロロマーノへ訪れる機会がございましたら、是非足を運ばれてみて下さい。
